艦船の原子力推進搭載第一号は1955年にアメリカで完成した原子力潜水艦「ノーチラス号」。通常推進に比べて原子力潜水艦の利点は下記の通り。
以上の2点は隠密裏に長期の行動を要求される潜水艦にとって非常に有利であるが、原子力化は航空母艦にとっても大きな利点がある。
アメリカ海軍は上記利点を考慮し、1961年に就役させた3隻の空母のうち1隻を初の原子力空母(エンタープライズ)とした。また 同時に建造した原子力ミサイル巡洋艦「ロング・ビーチ」(15,111トン)、「ベインブリッジ」(7,982トン)と協同して航続力無限の原子力艦隊を作ろうとした。しかしエンタープライズは建造費があまりにも高くなったため、次に建造された空母2隻は一旦通常推進型に戻された。
1964年から始まったベトナム戦争では「エンタープライズ」やほぼ同じ大きさの通常推進型のフォレスタル級やキティホーク級、より旧型で小さいエセックス級やミッドウェイ級など多数の空母が参戦し、その中で原子力空母のメリットが改めて確認された。その結果 1975年から「エンタープライズ」を更に改良したニミッツ級の量産建造が始まり、計10隻が建造された。
ニミッツの建造に合わせてカリフォルニア級(10,150トン、2隻)やバージニア級(11,000トン、4隻)の原子力ミサイル巡洋艦が建造されたが、この種の艦の建造は1980年完成のバージニア級の4番艦で終了し、その後建造されたミサイル巡洋艦は全て通常推進のタイコンデロガ級(9,400トン、27隻)となった(原子力巡洋艦9隻は全て退役済み)。
これらの事実を総合すると、艦船の原子力化のメリットは 潜水艦>航空母艦>巡洋艦という結果であった。
2009年に、アメリカ海軍では最後の通常推進空母であったキティホークが退役し、空母は全て原子力推進艦となった。
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