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原子力空母の建造

艦船の原子力推進搭載第一号は1955年にアメリカで完成した原子力潜水艦ノーチラス号」。通常推進に比べて原子力潜水艦の利点は下記の通り。

世界初の原子力空母エンタープライズ
通常動力型空母では世界最大のキティホーク
ニミッツ級原子力空母ニミッツ
  • 核燃料は1回補給すると少なくとも20年以上使えるため、航続距離が非常に大きくなる。通常動力型では大容量の燃料タンクが必要であったが、原子力推進艦ではその必要が無い。
  • 機関運転に際し大気中の酸素を必要とせず、排気も無い。潜水艦としては潜航し続けたまま長期の航海が可能。

以上の2点は隠密裏に長期の行動を要求される潜水艦にとって非常に有利であるが、原子力化は航空母艦にとっても大きな利点がある。

  • 燃料消費を気にせずに長期間の高速航行が可能。また蒸気発生量に余裕があるので蒸気カタパルトの連続使用にも支障が無い。
  • 自艦の燃料タンクが必要なくなるのでその分航空機の燃料などを多く積載でき、補給までの継続戦闘期間が長く出来る。例えばキティホーク級では自艦用の燃料7,828トンと航空機用燃料5,882トンを積載しているが、原子力推進では自艦用燃料約8,000トンの積載量を航空燃料などの他の用途に回すことが出来る。
  • 主機関に空気を送る送風システムと排気を煙突まで送る煙路が必要なくなるので、艦内配置に余裕が出来る。更に通常推進艦では十分解決出来なかった煙突からの高温排気による気流の乱れ(着艦機にとって重要な問題)の問題が解消される。
  • マイナス面として、開発と建造・維持の費用が通常推進艦より高価であることが上げられる。

アメリカ海軍は上記利点を考慮し、1961年に就役させた3隻の空母のうち1隻を初の原子力空母(エンタープライズ)とした。また 同時に建造した原子力ミサイル巡洋艦ロング・ビーチ」(15,111トン)、「ベインブリッジ」(7,982トン)と協同して航続力無限の原子力艦隊を作ろうとした。しかしエンタープライズは建造費があまりにも高くなったため、次に建造された空母2隻は一旦通常推進型に戻された。

1964年から始まったベトナム戦争では「エンタープライズ」やほぼ同じ大きさの通常推進型のフォレスタル級やキティホーク級、より旧型で小さいエセックス級やミッドウェイ級など多数の空母が参戦し、その中で原子力空母のメリットが改めて確認された。その結果 1975年から「エンタープライズ」を更に改良したニミッツ級の量産建造が始まり、計10隻が建造された。

ニミッツの建造に合わせてカリフォルニア級(10,150トン、2隻)やバージニア級(11,000トン、4隻)の原子力ミサイル巡洋艦が建造されたが、この種の艦の建造は1980年完成のバージニア級の4番艦で終了し、その後建造されたミサイル巡洋艦は全て通常推進のタイコンデロガ級(9,400トン、27隻)となった(原子力巡洋艦9隻は全て退役済み)。
これらの事実を総合すると、艦船の原子力化のメリットは 潜水艦>航空母艦>巡洋艦という結果であった。

2009年に、アメリカ海軍では最後の通常推進空母であったキティホークが退役し、空母は全て原子力推進艦となった。

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【出典:wikipedia】
2012/02/06 21:41

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