装置・装備
- 着艦誘導装置
- 電波誘導・光学式誘導・着艦誘導員のパドルによる合図等さまざまな装備が設置されている。アメリカでは1950年代ごろまでLSO(着艦信号士官)が両手にパドルを持ちそれによって誘導を行っていたほか、日本やフランスは後述する光学着艦装置の原型ともいえる着艦指導灯を使用していた。
- アメリカやイギリスでも艦載機のジェット化に伴う着艦速度の高速化により、より遠くから正確に誘導する必要が出てきたため遠くからでも視認しやすいミラー・ランディング・システムが開発され、後にそれを発展させたFLOLS(フレンネル・レンズ光学着艦装置)が開発された。
- また各種の電子兵装が充実した正規空母であれば電波誘導により自動的に着艦させることも可能である。
- 油圧式着艦制動装置
- 甲板上に浮かせた状態で数本張られたアレスティング・ワイヤーを、着艦する機体のアレスティング・フックで引っ掛けて、強力なブレーキ力を発生させる。開発当時は縦索式と横索式の二通りがあり、縦索式はイギリスと日本が、横索式はフランスとアメリカが採用し研究していた。
- 縦索式は首尾線方向に百本ものワイヤーを張り、着艦機が主脚間に装備する櫛形フックに引っ掛けて摩擦力を利用する形式で開発が容易だったが制動力に著しく劣り事故が絶えなかった。そのため、イギリスでは1926年から1931年までは着艦制動装置禁止令を出してしまった。
- 一方、横索式は飛行甲板の左右方向に張られた数本のワイヤーを着艦機の後部に装備したフックに引っ掛けて停止する方式である。1911年1月18日に装甲巡洋艦「ペンシルベニア」に設置された仮設飛行甲板への世界初の着艦において既にこの仕組みは考案済みであったが、実用化には16年と長い年月が必要でフランスが実用化したのが1927年のベアルンであった。後に日本、イギリスもフランスより技術導入して1931年までに横索式に切り替えることとなった。今日の空母が採用しているのも横索式である。
- 他に非常時に使う、機体全体を受け止めるバリケード(滑走制止装置)もある。
- 蒸気カタパルト
- 1950年代にイギリスが開発した、空母の主機関の蒸気をピストンに送り込んで、航空機を加速する方式。アングルドデッキと並んで現代空母に不可欠の技術。
- しかし開発には高度な技術が必要であり、現在でもアメリカ等、一部の国しかもっていない。
- ロシアの「アドミラル・クズネツォフ」はカタパルトを装備していないが、これは風説にいわれる「ソ連が蒸気カタパルトを開発できなかったため」では無く、スキージャンプという低コストの発艦方式を実用化したため本艦への搭載は見送られた、というだけの話である。クズネツォフ2隻に続いて1988年に起工された原子力空母「ウリヤノフスク」は、当初からカタパルトを搭載する予定になっていたが、同艦はソ連崩壊により建造中止となり、ロシア海軍初のカタパルト装備原子力空母は、幻と消えた(ちなみに、ソ連の蒸気カタパルトの試作品は、既に1985年頃には完成していた)。
- 第二次世界大戦中~蒸気カタパルト実用化までの間のイギリス空母・アメリカ空母は油圧式カタパルトを装備していた。
- ブライドル・レトリーバー(英語ではbridle catcherと呼ぶこともある)
- カタパルト延長線上の飛行甲板前縁斜め下方に角のように突き出した構造。初期のカタパルトはシャトルと艦載機の接続に、射出と同時に分離して前方へ投棄されるブライドル・ワイヤーと呼ばれる鋼索を使用していた。当初は発艦ごとの使い捨てだったこのワイヤーを回収するための装備である。現在では艦上機の脚部にカタパルトのシャトルと直接接続できる機構が備わっているものがほとんどとなったのでブライドル・ワイヤーが不要となり、新型・近代化改修を受けた最近の空母には見られないことが多い(またブライドル・ワイヤーが使い捨てだった時代の空母にも見られない)。
- エレベーター
- 下層にある格納庫甲板から最上甲板である飛行甲板に艦上機を上げるための装置である。通常は四角形だがイギリスでは飛行機の形に合わせた十字型のものもあった。アメリカのエセックス級にもアングルド・デッキを備えるSCB-125近代化の際に第一エレベーターが長方形に前方をすぼませた六角形となったものがあった。第二次大戦期の多くの空母ではエレベーターは艦の中心線上にあったが、強度と航空機運用に問題があったため現在の大型空母は飛行甲板の両外側に舷側エレベーターを設置している。
- 小型の軽空母では舷側にエレベーターを設けると悪天候時に海水が格納庫に浸入する恐れがあるため、艦の中心線上にエレベーターを設けている。
- 中心線上へのエレベーター設置は格納庫面積を圧迫してしまう事になり、格納可能な機数が減少するデメリットでもある。なおイギリスでは「リフト」と呼ぶ。
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【出典:wikipedia】
2012/02/06 21:41